5・6・7歳でもおねしょが続く原因や対策は?治療をした方がいいの?

夜尿症


5〜7歳頃になってもおねしょがみられると、「このままで大丈夫かな?」と心配になるママ・パパも多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、5・6・7歳でもおねしょが続く原因や対策をご紹介します。

5・6・7歳になってもおねしょが続くことはあるの?

子どものおねしょは年齢とともに頻度が減り、だいたい5歳頃までにはしなくなることが多いです。ただし個人差があるため、昼間のおむつが外れて比較的すぐにおねしょがなくなる子もいれば、5歳を過ぎてもおねしょが続く子もいます。

5歳以上で1ヶ月に少なくとも1回以上おねしょがある状態が3ヶ月続いている場合は「夜尿症」と診断されます
5歳を過ぎてもおねしょが続くことは、すごく珍しいというわけではありません。夜尿症を持つ子どもの割合は、5歳で15%、6歳で13%、7歳で10%、8歳で7%、10歳で5%、12~14歳で2~3%、15歳以上で1~2%とされています。

5・6・7歳でもおねしょが続くのはどうして?

5・6・7歳でおねしょ(夜尿症)が続く場合、主な原因は以下の3つで、一般的にはこれらがいくつか重なることで起こります。

  • 睡眠から覚醒する力が弱く、尿意を感じても起きられない
  • 膀胱の容量が小さいなどの理由で、睡眠中に膀胱に尿を溜めていられない
  • ホルモンの分泌量が不十分などの理由で、睡眠中に尿が作られ過ぎてしまう


あまり多くはありませんが、次のような理由でおねしょが続くケースもあります。

  • 中枢神経の発達に遅れがある
  • 両親からの遺伝
  • 排尿筋過活動、尿路異常、睡眠時無呼吸症候群など、膀胱や尿の生成に影響を及ぼす可能性のある疾患


なお、ストレスなどの精神的な問題が原因になるという根拠は乏しく、保護者のしつけや本人の性格も関係ありません。

5・6・7歳のおねしょを治すにはどうしたらいい?

夜尿症は成長するにつれて自然と治っていくこともありますが、5歳を過ぎてもなかなか治らない場合は、小児科や泌尿器科を受診して適切な治療を受けるのがいいでしょう。子どもにあった治療をすることで、夜尿の頻度を減らしたり、完全になくしたりすることができます。

特に小学校の中学年頃になってもおねしょが続いていると、本人にとっても精神的な負担が大きくなりやすいです。宿泊行事にも参加しづらくなってしまう子どもも多くいます。実際に夜尿症を持っている子どもはそうでない子どもに比べて自尊心が低いという報告もあり、本人や家族が悩んでいる場合は積極的な治療が推奨されています。治療を行うことで自尊心が回復したケースも報告されています。

夜尿症の治療方法について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてくださいね。

5・6・7歳のおねしょを治すために家庭でできる対策は?

5〜7歳頃のおねしょ(夜尿症)を改善するために、家庭でできる対策もあります。実践したらすぐにおねしょが治るわけではありませんが、改善の手助けになるので、次のようなことに気をつけながら生活習慣を見直すといいでしょう。

夕食時や就寝前に水分は控えめにする

就寝中の尿量を抑えるためには、夕食時や就寝前に水分を摂りすぎないようにすることが大切です。寝る直前に水分を欲しがる場合は、小さめの氷を舐めさせると水分摂取量を抑えながら喉を潤すことができますよ。

就寝前にトイレに行く

寝る30分前とベッドや布団に入る直前にトイレに行って、ゆっくり排尿する習慣をつけましょう。ベッドや布団に入ってもしばらく寝付けないときは、再度トイレへ行かせるようにしてください。

生活リズムを整える

早寝・早起きを心がけたり、毎日決まった時間に食事をとったりして、生活のリズムを整えることもポイントです。事からも水分は摂取されるため、夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませておくとよいでしょう。

便秘対策をする

腸に便がたまった状態が続くと、膀胱が圧迫されておねしょの原因になることがあります。便秘予防として、適度な運動、食物繊維を多く含む食品の摂取、毎日決まった時間にトイレに座る習慣などを意識してみてくださいね。

塩分を控える

塩分が多い食べ物を食べ過ぎると、喉が渇いて水分を多く摂りたくなることがあります。特に夕食のメニューはなるべく薄味を心がけるといいでしょう。

体を冷やさないようにする

体が冷えると夜間の尿量が増えやすくなるため、寝冷えにも注意が必要です。布団をすぐにはいでしまう子には、スリーパーを使う、夏場は冷房の設定温度をやや高めにして風が直接当たらないようにする、などの工夫をしてみましょう。
また夕食や食後のデザートに冷たいものを食べ過ぎないように気をつけてくださいね。

夜中に無理に起こさない

「おねしょをしないように」と、子どもが寝たあとに起こしてトイレへ行かせるのはやめましょう。睡眠が途中で中断されると体内で尿を作るホルモンの分泌が増えてしまい、かえっておねしょが治りにくくなることがあるといわれています。

夜尿症の受診はオンラインでもできます

5・6・7歳頃になってもおねしょが頻繁に続いている場合は、一度受診して夜尿症かどうか診断してもらうといいでしょう。しかし夜尿症に詳しい医師が近隣にいなかったり、通院していることを周りに知られたくなかったりして、病院を受診するハードルが高いと感じるママ・パパも多いのではないでしょうか。
通院が難しい場合は、自宅からオンラインで受診するというのもひとつの方法です。オンライン診療アプリ「キッズドクター」は、夜尿症についての相談も受け付けています。子どもの診察に慣れた医師が対応するため安心ですよ。選択肢のひとつとして検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 三宅優一郎
日本外科学会認定外科専門医、日本小児外科学会認定小児外科専門医。初期研修終了後、順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。大学病院やこども病院で研修。カナダで横隔膜ヘルニアの胎児治療の研究にも従事。専門は小児外科疾患。2児の父。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア