子どもの花粉症は治療できるの?治療方法は?

子どものアレルギー


子どもの花粉症は年々増えており、珍しくなくなりつつあります。しかし実際に自分の子どもが花粉症になると「どんな治療方法があるんだろう」「家でもケアできるのかな?」と悩んでしまいますよね。そこでこの記事では、子どもの花粉症の治療方法とセルフケアについてご紹介します。

子どもも花粉症になるの?

子どもの花粉症は増加傾向にあるとされています。アレルギー性鼻炎ガイド(2021年版)によると0~4歳の子どもが花粉症をもっている割合は3.8%、5~9歳の子どもは30.1%です。

子どもの花粉症の治療方法は?

子どもの花粉症は自然に治るものではありません。放置すると中耳炎や副鼻腔炎を合併したり、鼻づまりのせいで睡眠不足になり生活に支障をきたしたりすることがあるので、適切な治療を行うことが大切です。以下では子どもの花粉症の治療方法をご紹介します。

薬物療法

子どもの花粉症では、内服薬や点眼薬、点鼻薬などの薬で症状を緩和する薬物療法を行うのが基本です。花粉の飛散が始まる2週間ほど前から薬物療法を開始すると特に効果的とされています。

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法は、花粉症の原因物質を皮下や舌下から少しずつ体内に入れてアレルギー反応を弱めていく治療方法です。花粉症を根本から治せる可能性がありますが、必ずしも治るわけではありません。また治療期間が約2~3年と長いため、根気よく続ける必要があります。

手術療法

鼻づまりがひどい場合には、鼻の粘膜を部分的に切除する手術療法を行うこともあります。最近普及してきているレーザー手術は出血がなく入院の必要もないため比較的簡単に行えますが、再発もみられます。

子どもの花粉症はセルフケアもできる?

薬を服用していてもそれだけで症状を完全に抑えるのは難しいので、同時にセルフケアを行うことも大切です。ここからは、子どもの花粉症のセルフケアをいくつかご紹介します。

花粉を避けて外出する

花粉症の症状を和らげるためには、体内に入る花粉を少なくすることが重要です。そのため、晴れた日や風が強い日、雨の日の翌日など花粉の飛散量が多い日は、なるべく外出を控えるのがいいでしょう。

外出するときはマスクやメガネを着用する、花粉がつきにくいツルツルした生地の服を着るなどの対策をとってくださいね。花粉の飛散量はテレビやwebサイトでも確認できるので、お出かけ前にチェックするのがおすすめです。

花粉が室内に入らないようにする

外出を控えていても、室内に花粉が持ち込まれると体内にも花粉が入ってしまいます。花粉をできるだけ室内に入れないために、花粉の飛散量が多い日は以下のことに気をつけてみてください。

  • 洗濯物は室内に干す
  • 窓を開けての換気は最小限にする
  • 家に入る前に花粉を払い落とす
  • 帰宅後は手や顔を洗う


空気清浄機を使用する

空気清浄機を使用すると、空気中の花粉の飛散を抑えられます。ただ、床に落ちた花粉は空気清浄機では取り切れないので、濡れた雑巾などでこまめに掃除しましょう。

加湿する

空気が乾燥していると鼻の粘膜のバリア機能が低下するため、鼻水や鼻づまりなどの症状が表れやすくなります。加湿器やマスクを使用して鼻の粘膜の乾燥を防ぎましょう。

花粉症のホームケアに悩んだら…

花粉症の症状の表れ方には個人差があるので、ホームケア中に不安になることもあるかと思います。そんなときは子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」がおすすめです。チャット形式で看護師に無料相談ができ、ホームケアの方法や受診の目安についてのアドバイスがもらえますよ。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア