子どもの腹痛で考えられる病気は?
子どもが体調を崩したときに訴える症状として多いのが腹痛です。腹痛の原因は様々なので、お腹以外にどこを見ると良いのか、どう対処すれば良いのかを知っていると安心です。こちらの記事では子どもの腹痛で考えられる病気についてご紹介します。
子どもの腹痛の原因は様々
子どもの胃腸は大人に比べて未発達で、成長とともに腸内の細菌が増加して腸内環境が整っていきます。そのため子どもは大人に比べて腹痛になる頻度が高く、ちょっとしたことでもお腹が痛くなることがあります。
腹痛の原因は、食べ過ぎ、水分の摂りすぎ、ストレス、便秘、感染症、腸の病気など様々です。
子ども自身が症状を詳しく説明できないことも多く、お腹が痛いというだけでは原因を突き止めるのが難しいため、他に症状はないかお腹以外を確認することも大切です。
子どもの腹痛で考えられる病気は?
ここからは子どもの腹痛で考えられる原因や病気をご紹介します。腹痛以外にどんな症状が現れるかもご紹介するので参考にしてみてください。
便秘
子どもの腹痛の原因として多いのが便秘です。便やガスが腸に溜まることで痛みが生じます。
主な症状
- 排便が週に3回もない
- 便の状態が硬くてコロコロしている
- 排便がつらそう
- お腹が張っている
対処法
まずは腸を動かして溜まっている便を出すことが大切です。家庭でできる対処法として、マッサージ、綿棒浣腸などがあります。またこまめな水分補給、適度な運動、朝決まった時間にトイレへ行くようにするなど、普段の生活で便秘になりにくい生活習慣を意識できると良いですね。
胃腸炎
子どもの腹痛の原因で、便秘と並んで多いのが胃腸炎です。胃腸炎にはウイルス性と細菌性がありますが、子どもはウイルス性であることが多く、ロタウイルスやノロウイルスなどが胃腸内に入ることで感染します。
主な症状
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
対処法
下痢や嘔吐を繰り返すと脱水が起こるおそれがあるので、こまめに水分補給をさせましょう。二次感染を防ぐために、看病をする人は手洗いやマスクの着用を徹底し、家族がよく触る場所は次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液で消毒してください。ノロウイルスやロタウイルスにはアルコール消毒はあまり効果がありません。
かぜ
かぜの症状の一つとして腹痛が見られることもあります。熱が上がる前や中耳炎を合併しているときに腹痛を訴えることが多いです。
主な症状
- 発熱
- 咳
- 鼻水、鼻づまり
- 喉の痛み
- 下痢
- 嘔吐
対処法
できるだけ安静にして体力が回復するのを待ちましょう。腹痛と共に下痢の症状が出ると体内の水分が失われやすいため、こまめな水分補給を意識するようにしてください。
心因性腹痛
不安や緊張、ストレスなどの心理的な要因によって自律神経が乱れて起こる腹痛です。子どもの場合、保育園・幼稚園・学校に行きたくない、友達と仲良くできないなどの理由でお腹が痛くなることもあります。
主な症状
- 便秘
- 下痢
対処法
子どもとゆっくり話したり園や学校の先生に普段の様子を聞いたりして、不安やストレスの原因を探り、できるだけ取り除いてあげられると良いですね。ストレス発散やリラックスできる方法を探すのもおすすめです。
自律神経の乱れを整えるには、生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活と十分な睡眠、バランスの整った食事、適度な運動を心がけましょう。
ここからご紹介する病気は、発生頻度はそこまで高くありませんが、かかると緊急性の高いものです。腹痛以外の症状を確認し、該当する場合は早めに受診するようにしてください。
腸重積
腸の一部が腸の別の部分にはまり込んで腸が塞がる病気です。生後3ヶ月〜2歳ごろ未満の子どもによく見られます。
主な症状
- 急な強い腹痛
- 嘔吐
- 血便
症状が進むと下記のような症状が見られることがあります。
- 血が混ざったねっとりとした便(いちごゼリー状の便)が出る
- ぐったりする
- 顔色が悪くなる
対処法
症状が現れてから24時間以内であれば、腸にチューブで空気を送り込んで元の場所に戻す処置を行うことで、8割が元の状態になるとされています。時間が経ってしまった場合などは手術が必要になるため、腸重積が疑われる症状が見られたらすぐに受診するようにしましょう。
精巣捻転
精巣がねじれて血流が途絶えてしまう病気で、新生児期や12〜18歳ごろに起こる可能性があります。新生児期は症状をうまく伝えられないため、泣いて訴えることがあります。
主な症状
- 陰嚢の腫れや痛み
- 吐き気、嘔吐
対処法
6〜12時間以内にねじれを戻して血流を回復させないと精巣が壊死してしまうため、すぐに受診するようにしてください。新生児期の男の子にいつもと違った様子が見られたら、陰嚢が腫れていないか確認するのが良いでしょう。
急性虫垂炎
大腸の一部である「虫垂」という部分に炎症が起こる病気で、一般的に「盲腸(もうちょう)」として知られています。
主な症状
- 痛みが上腹部やおへそ周辺から始まり、徐々に右下腹部に移動する
- 嘔吐、吐き気
- 発熱
対処法
炎症が進行していない場合は、点滴や投薬、食事制限などで治療されることがあります。進行している場合は、手術で虫垂を切除します。正しく治療しないと炎症が悪化してしまうおそれがあるため、気になる症状があるときは早めに受診するようにしましょう。
鼠径ヘルニア
本来お腹の中にある臓器(腸や卵巣、精巣など)の一部が太ももの付け根(鼠径部)あたりに脱出してふくらむ病気です。
主な症状
- 鼠径部の膨らみ
- 鼠径部の違和感、痛み
- 便秘
対処法
指でふくらみを押してみても痛みがなく引っ込む場合は緊急性はがありませんが、ふくらみが硬く触ると痛みがある場合は、脱出した臓器が周囲の筋肉で締め付けられて押しても戻らない「嵌頓(かんとん)状態」の可能性があります。嵌頓状態になると腸閉塞や腸の壊死に繋がるおそれもあるため、できるだけ早く受診するようにしてください。
子どもの腹痛はオンライン診療で相談を
子どもが腹痛を訴えているとき、病院に連れて行く必要がある状態なのかわからないということがあるかと思います。そんなときはオンライン診療アプリ「キッズドクター」が便利です。家にいながらちょっとした気になる症状も診てもらうことができ、医師が必要と判断した際には薬の処方をしてもらうこともできます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。