子どもがインフルエンザに感染したときの家庭での注意点10選

子どもの病気


冬に流行する代表的な病気であるインフルエンザ。子どもが感染してつらそうにしていると、見守っているママやパパは少しでも楽にしてあげたいと思いますよね。そこで今回は、子どもがインフルエンザに感染したときの注意点やホームケアのコツをまとめました。

子どものインフルエンザの症状は?

インフルエンザの感染が疑われる初期症状には、次のようなものがあります。

  • 38度以上の発熱
  • 筋肉痛や関節痛
  • 倦怠感
  • 悪寒
  • 頭痛


インフルエンザの場合、症状が現れてから12〜48時間以内に受診するのが望ましいとされています。受診してインフルエンザだと診断されたら、ここからご紹介する注意点を参考にホームケアを行いましょう。

子どものインフルエンザの注意点① 気をつける症状を知っておく

インフルエンザに感染すると、ほとんどの子どもは3〜5日間発熱が続いたあと快方に向かいます。しかしまれに、急性脳炎や心筋炎、肺炎など重篤な合併症を引き起こしてしまうことがあります。次のような症状には注意が必要です。発現したらすぐに病院を受診してください。

意識障害

ぼんやりしていて視線があわない、呼びかけに答えない、意味不明なことを言う、走り回る、いつもと違う言動がある

呼吸困難

呼吸が早く息苦しそうにしている、顔色が悪い、唇が紫色になっている、胸がべこべこへこむような呼吸をしている

脱水症状

水分が摂れない、嘔吐や下痢が続いている、半日以上水分が摂れていない、ぐったりしている、尿の量がいつもより少ない

子どものインフルエンザの注意点② まずは安静にさせる

インフルエンザで何より大切なのは安静です。冷えないようにして寝かせてあげてください。ただ、先にご紹介したとおりインフルエンザには危険な症状があるため、できるだけ子どもをひとりにしないようにしましょう。異常があればすぐに対応できるよう、目の届くところで寝かせてください

子どものインフルエンザの注意点③ 水分補給をしっかりと

インフルエンザは高熱が出るので、汗をかいて体の水分が不足しやすくなります。脱水にならないように水分は意識して摂らせるようにしてください。

1度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるので、スポーツドリンクや経口補水液など吸収がよいものを少しずつ飲ませるようにしましょう。いつでも飲めるようにペットボトルにストローを挿して枕元に置いておくと便利です。

子どものインフルエンザの注意点④ 薬は最後まで飲ませる

処方された薬は飲むタイミングと回数を守って、最後まで飲みきらせるようにしてください。途中で症状が軽くなっても自己判断で服薬を中止してはいけません

子どものインフルエンザの注意点⑤ 温度と湿度を快適に保つ

インフルエンザのウイルスは高温多湿の環境に弱いと言われています。暖房と加湿器を使い、室温は18〜20度、湿度は50〜60%を保つようにしましょう。子どもにとっても快適な環境になります。

子どものインフルエンザの注意点⑥ 無理に食べさせない

食事を無理に食べさせる必要はありません。胃腸の調子が悪くなっていることがあるので、食べると吐いたり下痢をしたりしてしまうことがあります。子どもが食べたがったらゼリーやアイスクリーム、柔らかく煮たうどん、おかゆなど胃腸の負担になりにくいものを少量ずつ様子を見ながら食べさせてください

おすすめの食事内容や方法については、下記の記事にまとめています。

子どものインフルエンザの注意点⑦ 解熱剤を正しく使う

解熱剤はむやみに使いすぎず、容量用法を守って正しく使いましょう。解熱剤を使用する体温の目安は、38度以上です。また解熱剤は1度使ったら6時間以上間隔をあける必要があります。熱が下がらないからと自己判断で追加しないようにしてください。

解熱剤はできるだけ市販薬ではなく医師から処方されたものを使うようにしましょう。市販の解熱剤を使用するときは必ず事前に医師や薬剤師に確認してください。

子どものインフルエンザの注意点⑧ お風呂は無理をしない

入浴は体力が奪われるので、高熱があるときは控えます。汗をかいて服が濡れたままになっていると体が冷えるので、体を拭いたり服を着替えさせたりしてあげましょう。熱が下がって元気が出てきたらお風呂に入ってもかまいませんが、長湯は避けてくださいね。

子どものインフルエンザの注意点⑨ 登園・登校できる日を確認する

インフルエンザは症状が軽くなってもウイルスが排出されるため、すぐには登園・登校ができません。学校保健安全法によると『発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあたっては3日)を経過するまで』と決められています。

詳しくは下記の記事にまとめているので、参考にしてください。

子どものインフルエンザの注意点⑩ 家族が感染しないようにする

インフルエンザは感染力が強いため、看病しているママ・パパが感染しないように注意してください。家のなかであってもマスクを着用し、手洗いや手指消毒徹底するようにしてください。インフルエンザに感染した子どもが鼻をかんだティッシュの処理にも注意しましょう。食べ残しや飲み残しを口にするのもやめましょう。

家族の感染を防ぐための方法は、下記の記事に詳しくまとめています。

インフルエンザのホームケアに悩んだら

子どもがインフルエンザに感染したときの注意点をまとめましたが、いざ目の前に苦しそうな子どもがいると、どのようにケアをしてあげればいいか悩むこともあると思います。そんなときは、子どもの医療アプリ「キッズドクター」が便利です。看護師にチャットで相談でき、状況に合わせたアドバイスがもらえます。相談は無料なので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア